第4回は「羽根物・一般機モード」。通常デジパチの式に無理やり入れない
ここまで、簡易・精密・LT精密と、通常デジパチを段階的に詳しく登録する3つのモードを見てきました。
第4回は少し方向が変わります。
羽根物・一般機モードは、通常デジパチの大当たり確率やRUSH構造を細かく登録するモードではありません。
「そもそも1/○○という確率だけでは考えにくい」「スペック表より実際に何玉入って何玉戻ったかを見たい」という機種を、通常機とは別に扱うための入口です。
アバくん確率が分からないなら、適当に1/100とか入れて通常計算すればいいんじゃないの?
ヤバくんそれを避けるための専用モードだ。分からない確率を作るより、実際に測った値で考える。
今回も、操作だけではなく羽根物・一般機モードのメリット、弱点、向いている場面、実測計算の考え方まで掘り下げます。
4つの登録モード全体を比較したい場合は、機種登録モードの選び方|簡易・精密・LT精密・羽根物/一般機の使い分けもあわせて確認できます。
このモードの一番の特徴は「確率不明でも登録できる」こと
通常のデジパチでは、大当たり確率の分母は計算の土台になるため必須です。
一方、羽根物・一般機モードでは、大当たり確率の分母は不明なら空欄のまま登録できます。
通常時平均出玉・確変時平均出玉も、不明なら空欄で進められます。
これは「分からなくても適当でいい」という意味ではありません。
通常デジパチ式へ無理に当てはめるための仮の数字を作らなくていいというのが最大の利点です。
利点① 羽根物/一般機に合う計算タイプを選べる
羽根物・一般機モードでは、期待値計算タイプを次の2つから選びます。
- 羽根物 — ヘソ直撃なし・確率不明タイプを想定した実測管理。
- 一般機 — 確率・突入率を中心に考えない機種を、各入賞口の実測で管理。
通常デジパチ用の「通常計算」は、この登録モードでは選びません。
保存後にシミュレーターへ進むと、通常デジパチEVではなく羽根物/一般機EVシミュレーターへ分岐します。
利点② カタログ検索も羽根物・一般機だけに絞られる
羽根物・一般機モードのカタログ検索では、現行実装上、計算タイプが「羽根物」または「一般機」の候補だけを表示します。
通常デジパチやLT機を誤ってこのモードへ反映しにくいのが利点です。
逆に、データベース上でまだ羽根物・一般機として分類されていない機種は候補に出ない場合があります。
検索に出ないからといって、似た名前の別機種を選ぶのは避けます。
利点③ 登録画面で「不明な基本スペック」を空欄にできる
羽根物・一般機モードでは、機種名と計算タイプを確認し、分かる範囲の基本情報だけを登録します。
大当たり確率、通常時平均出玉、確変時平均出玉が分からなければ、通常デジパチのように必須値として埋める必要はありません。

空欄があると、登録が不完全って感じしない?

分からない数字を作る方が危ない。実測で見る機種なら、分からないスペックは空欄でいい。
利点④ 羽根物は「拾い・V・通常賞球」を実測で分けて見られる
羽根物としてシミュレーターを開くと、通常デジパチとは全く違う入力欄が表示されます。
主な入力は次のとおりです。
- 打ち込み玉数
- 1時間あたり打ち込み玉数
- 羽根開放回数(任意)
- 羽根に拾われた玉数(任意)
- V入賞回数
- V平均出玉
- 通常賞球数
- 総回転数
現行計算では、羽根物の総回収玉を次の形で作ります。
V出玉 + 通常賞球戻り
V出玉は「V入賞回数 × V平均出玉」、通常賞球戻りは「通常賞球数 × 総回転数」です。
そこから打ち込み玉数を引いて、実測差玉を求めます。
利点⑤ 羽根に拾われる率やV率まで確認できる
羽根開放回数と拾われた玉数も入力した場合、現行シミュレーターでは次の割合も確認できます。
- 羽根が開いたときに玉が拾われる率
- 拾われた玉がVへ入る率
- 羽根開放あたりのV率
これらは必須ではありませんが、台ごとのクセや拾いの差を比較するときの材料になります。
利点⑥ 一般機は「入賞口ごとの賞球×入賞回数」で見る
一般機を選ぶと、入力画面は羽根物とは別になります。
現行画面では入賞口A・B・Cまで登録でき、それぞれに賞球数と入賞回数を入力します。
一般機の総回収玉は、入力した各入賞口について
賞球数 × 入賞回数
を計算し、その合計で作ります。
その総回収玉から打ち込み玉数を引いて、実測差玉を確認します。
少なくとも1つの入賞口について、賞球数と入賞回数の組み合わせが必要です。
利点⑦ 同じ実測差玉を「比較しやすい単位」へ揃えられる
羽根物・一般機の実測結果では、単純な差玉だけではなく、現行シミュレーターが次の単位へ換算します。
- 差玉
- 1,000発あたりの差玉
- 1万円分打ち込み換算
- 1時間あたり
測定量が違う2台を、そのまま差玉だけで比べるより、1,000発あたりなど同じ基準へ揃えて見る方が比較しやすくなります。
ここからが弱点。実測モードは「測らないと何も始まらない」
簡易・精密・LT精密は、確認したスペックと回転率などを登録して計算へ進めます。
羽根物・一般機は違います。
このモードの強みは実測ですが、それは同時に実際にデータを取らないと判断材料が増えないという弱点でもあります。
弱点① 短い実測だけではブレやすい
羽根物の拾い、V入賞、一般機の入賞回数は、短い区間では偏ることがあります。
少ない打ち込み玉数だけで「この台はプラス」「この台はマイナス」と決めると、一時的な上振れ・下振れを強く拾う可能性があります。
現行画面にも、台ごとのクセ・削り・打ち出し条件で結果は変わるという注意があります。
弱点② 測定条件が違う台を、そのまま比較できない
例えば、A台は1000玉だけ測定、B台は5000玉測定では、同じ「差玉」でも重みが違います。
また、打ち出し方、交換条件、測定時間が違えば結果の意味も変わります。
1,000発あたりや1時間あたりへ換算できても、元の測定条件が揃っているかは別に確認する必要があります。
弱点③ 羽根物と一般機で入力方法が違う
羽根物はV入賞や通常賞球、必要に応じて羽根開放や拾いを測ります。
一般機は各入賞口の賞球数と入賞回数を測ります。
同じ「実測モード」でも、見る場所は同じではありません。
機種の仕組みを確認し、羽根物なのか一般機なのかを最初に選び分ける必要があります。
弱点④ 事前スペックだけで期待値を出したい用途には向かない
このモードは、スペック表だけを見て「打つ前に理論期待値を出す」ことを主目的にしていません。
現行の通常デジパチEV計算とは別に、実測データからの簡易計算として扱います。
事前に細かい理論条件を比較したい通常デジパチなら、簡易・精密・LT精密の方が向いています。
弱点⑤ 実測差玉がプラスでも、将来の収支を保証しない
実測結果は、入力した区間での観測値です。
1,000発あたりや1時間あたりへ換算されても、その数字が今後も同じ割合で続くことを意味しません。
羽根物・一般機は個体差や打ち出し条件の影響も受けやすいため、実測結果は比較材料として使い、保証値として扱わないことが大切です。
羽根物・一般機モードが向いている人
- 通常デジパチ式に合わない機種を登録したい。
- 大当たり確率が不明、または確率中心で考えにくい。
- 羽根の拾い・V入賞・通常賞球を実際に測りたい。
- 一般機の入賞口ごとの実測を残したい。
- 複数台を1,000発あたりなど同じ単位で比較したい。
逆に、このモードを選ばない方がいいケース
- 通常デジパチを登録したい。
- RUSH/STやLTの突入率・継続率を細かく分析したい。
- 実測せず、スペック表だけで事前計算したい。
- 確率・出玉など通常デジパチ用の情報が揃っている。
通常機なら簡易または精密、LT機ならLT精密というように、機種の仕組みに合う入口へ戻る方が安全です。
では、実際に羽根物・一般機モードで登録する
1. 「羽根物・一般機モード」を選ぶ
このモードは会員向けです。登録画面で、期待値計算タイプを「羽根物」または「一般機」から選びます。
2. カタログから対象機種を探す
このモードの検索候補は、羽根物または一般機として分類された機種に絞られます。
対象が見つからない場合、似た名前の通常機で代用しません。
3. 分かる基本情報だけ登録する
大当たり確率や平均出玉が不明なら、空欄のまま進められます。
回転率・交換率・玉貸しレートは、他モードと同様に別条件として登録します。
4. 保存後に実測EVシミュレーターへ進む
羽根物・一般機として登録した機種からシミュレーターを開くと、通常デジパチEVではなく実測EV画面へ進みます。登録モードの全体像や登録後の機種管理は機種登録と管理、通常デジパチ側の期待値シミュレーターとの違いは実戦期待値と条件比較でも確認できます。
5. 羽根物か一般機かに合わせて実測値を入力する
羽根物ならV・通常賞球・必要に応じて拾い。一般機なら入賞口ごとの賞球数と入賞回数を入力します。
4モードをここまで並べると役割が見えてくる
| モード | 主な考え方 | 向いている場面 |
|---|---|---|
| 簡易 | 基本スペック中心 | 少ない項目で早く登録したい |
| 精密 | 賞球・突入率・継続率まで分解 | 通常デジパチを詳しく見たい |
| LT精密 | 下位RUSHとLTを分離 | LT構造まで詳しく見たい |
| 羽根物・一般機 | 実測した戻り玉と打ち込み玉で確認 | 通常デジパチ式に合わない機種 |
第4回の結論
羽根物・一般機モードの強みは、分からない確率を無理に作らず、実際に測った挙動から比較できることです。
その代わり、実測しなければ材料が増えず、短い測定では結果がブレやすいという弱点があります。
このモードは「通常デジパチ計算の簡易版」ではなく、考え方そのものが違う専用ルートです。
次回:第5回「4モード総まとめ」

4つ全部見た。で、俺の台は結局どれを選べばいい?

最終回で全部並べる。機種の種類と、手元にある情報から選べるようにしよう。
第5回は、簡易・精密・LT精密・羽根物/一般機を1本にまとめ、「自分ならどれを選ぶ?」を判断できる総括にします。
第5回「4モード総まとめ」で自分の台に合うモードを判断する →
今回登場した重要語句
今回登場した重要語句の意味は、用語集で確認できます。読み終えたら、ブラウザの「戻る」でこの記事に戻れます。