第2回は「精密モード」。入力が増える代わりに何が見える?
前回は、機種登録5部構成の第1回として簡易モードを見ました。
簡易モードの強みは、確認する項目を減らして早く登録できること。その代わり、ヘソ賞球・サイドポケット賞球・突入率・継続率などを個別には持ちません。
第2回は、その“省いていた情報”を持てるようになる精密モードです。
アバくん精密って、入力欄が増えただけじゃないの? 面倒になるだけじゃん。
ヤバくん増えるのには意味がある。簡易ではまとめていた条件を分けて持てるから、期待値の内訳を詳しく見られる。
今回も操作手順だけではなく、精密モードの利点・不利な部分・向いている人・向かない人まで掘り下げます。
4つの登録モード全体を比較したい場合は、機種登録モードの選び方|簡易・精密・LT精密の使い分けもあわせて確認できます。
精密モードは「簡易+4つの詳細項目」
精密モードでは、簡易モードの基本項目に加えて、次の4項目を登録できます。
- ヘソ賞球
- サイドポケット賞球
- 確変突入率
- 確変継続率
通常計算では、ヘソ賞球とサイドポケット賞球は精密モードの必須項目です。突入率・継続率は0〜100の範囲で入力します。
つまり精密モードは、簡易の基本情報を捨てるのではなく、基本情報に「通常時の賞球」と「RUSH/STの構造」を足して持つモードです。
利点① RUSH/STを「突入率」と「継続率」に分けて持てる
簡易モードでは、確変時平均出玉は登録できますが、突入率と継続率を別項目としては持ちません。
精密モードでは、それを分けて保存できます。

平均出玉が分かってるなら、突入率と継続率なんて要らなくない?

「どれだけ入るか」と「入った後どれだけ続くか」を別に残せるのが大事なんだ。
現行の実戦期待値シミュレーターでは、RUSH/STの期待値寄与は主に突入率と確変時平均出玉から組み立て、継続率はRUSH/STの詳細情報として保持・確認します。
簡易登録では突入率・継続率を持たないため、RUSH/ST寄与を詳細側へ渡せませんでした。
精密ではこれらを個別に持てるため、通常側とRUSH/ST側を分けて考えるための材料が増えるのが大きな利点です。
利点② 「突入率」と「確変時平均出玉」を混ぜずに扱える
ここは入力を間違えやすいところです。
現行シミュレーターでは、確変時平均出玉はすでにRUSH/ST中の平均出玉として扱う値です。
そのため、継続率を掛けてもう一度平均出玉を膨らませる計算にはしていません。
一方で、突入率は「そのRUSH/STへどれだけ入るか」という別の条件として扱います。

確変時平均出玉7200玉で継続率81%なら、7200に81%をまた掛けるの?

掛けない。平均出玉は平均出玉として使う。継続率を二重に反映させないのが大事だ。
精密モードは入力欄が増えるぶん、それぞれの数値が何を意味しているのかを分けて管理しやすいという利点があります。
利点③ サイドポケット補正を使うための土台を持てる
精密モードではサイドポケット賞球を登録できます。
実戦期待値シミュレーター側には、さらに「100回転あたりのサイドポケット入賞回数」を入力する欄があります。
サイドポケット賞球と実測した入賞回数の両方がそろうと、通常時コストの補正材料として使えます。
簡易モードではサイドポケット賞球を持たないため、この詳細補正へ登録データ側からつなげられません。

サイド賞球を入れたら、それだけで勝手に期待値が良くなる?

ならない。賞球数だけじゃ足りない。実際に100回転で何回くらい入るかも必要だ。
サイド賞球を登録しただけでは補正は発生しません。 入賞回数が分からなければ、シミュレーター側では0のまま確認できます。
利点④ ヘソ賞球を「確認情報」として残せる
精密モードではヘソ賞球も登録します。
ただし、現在の期待値計算では回転率(回/250玉)を賞球込みの実戦値として扱うため、ヘソ賞球を期待値へもう一度追加加算しません。
これは二重計上を避けるためです。
つまり、ヘソ賞球を登録する利点は「ヘソが1玉だから期待値に1玉足す」ということではなく、対象機種のスペック情報として保存・確認できることにあります。
利点⑤ カタログから詳細項目まで反映できる
精密モードでも機種カタログから検索できます。
機種を選ぶと、簡易で反映される基本情報に加えて、精密ではヘソ賞球・サイドポケット賞球・突入率・継続率も対応項目へ反映されます。
最初から全部手入力するより、カタログから候補を呼び出して確認する方が登録は速くなります。
ただし、反映されたから正しいと決めつけず、対象スペックと照合してから保存します。
ここからが不利な部分。精密は「確認する責任」も増える
精密の強みは情報量です。
その裏返しで、確認しなければならない数字も増えます。
簡易なら基本スペックだけ確認すればよかったところに、ヘソ・サイド・突入率・継続率が加わります。
数字が多いほど、別スペックの値、別状態の値、単位違いを混ぜる可能性も増えます。
弱点① 間違った詳細値を入れると、簡易より悪いデータになる
精密モードを選んだだけで、登録内容が自動的に正確になるわけではありません。
例えば、別スペックの突入率を入れたり、継続率と突入率を逆に入れたりすれば、その後の試算もその値を前提に進みます。

精密に全部埋めた方が、空欄がある簡易より偉いんじゃないの?

数字が埋まってるだけじゃダメだ。確認できた正しい簡易の方が、適当な精密より信用できる。
精密を使うなら、入力項目が増えた分だけ元情報の確認も必要です。
弱点② サイド賞球だけでは補正できない
精密でサイドポケット賞球を登録しても、実際のサイド入賞頻度が分からなければ詳細補正はできません。
賞球数は機種スペックですが、入賞回数は実戦条件です。
この2つを混ぜずに、スペックは登録画面、入賞頻度は実戦期待値シミュレーターで扱います。
精密にしたから自動で現場のサイド状況まで分かるわけではない、というのは重要な限界です。
弱点③ 突入率・継続率が分からないなら、精密の利点を活かし切れない
精密モードでは突入率・継続率を持てますが、分からない数字を推測で埋めるのは逆効果です。
現行シミュレーターでは、RUSH/STの期待値寄与を作る際に突入率と確変時平均出玉を使い、継続率もRUSH/STの詳細情報として保持します。
そのため、突入率・継続率が未確認なら、精密を選んでもその部分の強みを十分に使えません。
基本情報しか確認できていない段階なら、まず簡易から始める方が合理的なこともあります。
弱点④ LTの条件は精密モードでは分けられない
精密モードで増えるのは、ヘソ・サイド・突入率・継続率までです。
LT突入率・LT継続率・LT平均出玉の専用欄はありません。
LT機の通常側・下位RUSH・LTをそれぞれ分けて管理したい場合は、第3回で扱うLT精密モードの方が向いています。
精密モードは、通常デジパチの詳細条件を扱うところまでが得意範囲です。
弱点⑤ 会員向けモードなので、ゲストでは使えない
現在、精密モードは会員ログイン後に利用するモードです。
簡易にはゲストで試せる範囲がありますが、精密は会員向けです。
詳細スペックを使った登録・管理を続ける前提のモードと考えると分かりやすいです。
精密モードが向いている人
- ヘソ賞球・サイド賞球を確認できている。
- 突入率・継続率を別々に管理したい。
- RUSH/ST寄与を詳細側で扱いたい。
- サイドポケット入賞を実測して補正へ使いたい。
- 簡易より細かい機種構造を残したい。
- 対象機種の詳細スペックを正確に照合できる。
逆に、精密を選ばない方がいいケース
- 基本スペックしかまだ確認できていない。
- 突入率・継続率を推測でしか入れられない。
- とにかく早く機種だけ登録したい。
- サイド補正やRUSH/STの詳細分析を使う予定がない。
- LT部分まで独立して分析したい。
最後のケースは「簡易へ戻る」のではなく、第3回のLT精密が候補になります。
では、実際に精密モードで登録してみる
1. 機種登録モードから「精密」を選ぶ
精密は会員向けモードです。簡易とは別の登録フォームへ進みます。
2. カタログから対象機種を探す
機種名・大当たり確率・メーカーなどで絞り込みます。
同じシリーズの別スペックを選ばないよう、名前だけでなく確率も確認します。
3. 基本スペックと精密スペックを両方確認する
カタログから選ぶと、基本項目に加えて、ヘソ賞球・サイドポケット賞球・突入率・継続率がフォームへ反映されます。
ここで「項目が埋まったから終わり」ではありません。
特に突入率と継続率は、似た数字が並びやすいので取り違えに注意します。
4. 回転率・交換率・玉貸しレートを確認する
精密でも実戦条件は簡易と同じく別管理です。
機種スペックが細かくなっても、ホールごとの回転率や交換条件まで自動で決まるわけではありません。
5. 保存後に詳細画面で4項目を確認する
登録後は、ヘソ賞球・サイドポケット賞球・突入率・継続率まで表示されていることを確認します。
その後、実戦期待値シミュレーターへ進むと、簡易では持てなかった精密情報を使えるようになります。登録後の検索・編集まで含めた流れは機種登録と管理、サイドポケット入賞回数や期待値計算へのつながりは実戦期待値と条件比較で確認できます。
簡易と精密を並べると違いが分かりやすい
| 見るところ | 簡易 | 精密 |
|---|---|---|
| 基本スペック | 登録する | 登録する |
| 回転率・交換条件 | 登録する | 登録する |
| ヘソ賞球 | 個別登録しない | 登録する |
| サイド賞球 | 個別登録しない | 登録する |
| 突入率 | 個別登録しない | 登録できる |
| 継続率 | 個別登録しない | 登録できる |
| サイド補正 | 登録データからは使えない | 入賞頻度を入力すれば使える |
| RUSH/ST詳細 | 不利 | 詳細項目を持てる |
| 入力の手軽さ | 軽い | 確認項目が増える |
| LT専用項目 | なし | なし |
第2回の結論
精密モードの強みは、簡易でまとめていた条件を分けて持てることです。
特に、突入率・継続率、サイドポケット賞球を登録できることで、通常側とRUSH/ST側、さらにサイド入賞の補正まで詳しく扱うための土台ができます。
一方で、項目が増えるほど確認する責任も増えます。
精密は「入力が多いから上位」なのではなく、「正確な詳細情報を持っている人ほど強みを活かせるモード」です。
基本情報だけなら簡易。詳細スペックまで正確に分かるなら精密。ここが第1回との一番大きな分岐です。
次回:第3回「LT精密モード」

じゃあLT機も、精密で突入率と継続率を入れれば終わり?

LTはもう一段分ける。通常・下位RUSHとLTを混ぜないための専用項目がある。
第3回は、LT突入率・LT継続率・LT平均出玉を別に持つ意味と、通常側の数字と混ぜると何がまずいのかを中心に見ていきます。
第3回「LT精密モード」のメリット・デメリットと使い方を読む →
今回登場した重要語句
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