ハロウィンのカボチャ貯金箱に軍資金24,000円を詰めてきたアバくん。前回の「期待値+3万円でも10回で赤字!?」で300回の累計期待値が+90万円と聞き、すっかり大金持ち気分です。しかし、300回の最終収支がプラスになりやすいことと、途中で資金が尽きずに300回続けられることは同じではありません。
大切な前提:ここで使うのは各回の純収支が2通りしかない架空の独立試行モデル。1回の収支を開始残高24,000円へ足し引きし、一度でも残高0円以下になった時点で終了すると定義します。実際のパチンコに必要な投資額・資金不足の頻度を予測するモデルではありません。損失額をそのまま必要な軍資金と見なすこともできません。
カボチャ貯金箱が、期待値90万円を夢見て爆発寸前!?
前回のハロウィン編で、同じプラス期待値でも300回まで繰り返せば『300回終了時の累計赤字確率』が小さくなると学んだアバくん。今回は軍資金24,000円をカボチャに詰め、早速300回の冒険へ出発すると言い出しました。
アバくんトリック・オア・期待値! 前回の300回で期待値90万円! とうとうカボチャ貯金箱を金庫に格上げしたぞ!
ヤバくん90万円は架空モデルの『300回の期待値合計』だ。今の残高じゃないぞ。
アバくん分かってるって! まずは軍資金24,000円を用意した。これで300回コースに出発!
ヤバくんその軍資金で300回までたどり着けるか、考えたか?
アバくんえっ? 前回、300回終了時に赤字になる確率はすごく小さかったじゃん!
ヤバくんそれは『300回すべて実行できたと仮定した最終収支』の話だ。途中の残高が0円以下になる危険は別だ。
アバくん途中で資金が尽きたら、300回のカボチャ馬車が止まるのか!
ヤバくんそう。今回は勝敗の順番と残高の変化を扱う。
アバくんカボチャ馬車なのにタイヤが財布なの、ホラーすぎる!
ヤバくんしかも数学のホラーだ。実在の台の予測じゃなく、仮想モデルの計算として勉強しよう。
アバくんよし! カボチャ貯金箱が割れる確率を調べよう!
ヤバくんまず条件を固定する。結論を急いで『打ち続ければよい』と決めるなよ。
前回と同じプラス期待値モデルA・B、軍資金だけ追加
前回と同じ2結果の説明用モデルです。今回は開始時点の残高を24,000円とします。いずれも1回あたりの平均的な期待値は+3,000円ですが、勝つ頻度と負ける額が違います。
| 条件 | モデルA | モデルB |
|---|---|---|
| 1回勝つ確率 | 25% | 60% |
| 1回負ける確率 | 75% | 40% |
| 勝った純収支 | +24,000円 | +7,000円 |
| 負けた純収支 | −4,000円 | −3,000円 |
| 1回の期待値 | +3,000円 | +3,000円 |
| 開始残高 | 24,000円 | 24,000円 |
A:0.25×24,000+0.75×(−4,000)=+3,000円。B:0.60×7,000+0.40×(−3,000)=+3,000円。勝率も損益の幅も違いますが、期待値は同じという条件です。
アバくんモデルAは勝率25%で+24,000円、負けたら−4,000円だっけ?
ヤバくんそう。負ける確率は75%、1回の期待値は+3,000円。
アバくんモデルBは勝率60%で+7,000円、負けたら−3,000円!
ヤバくんそのとおり。こちらも期待値+3,000円だ。
アバくんAもBも同じ期待値なら、カボチャ貯金箱の命運も同じかな?
ヤバくんいや。金額と勝率が違うから、資金が0円以下になる確率も違う。
アバくん今回は『勝ったらその金額が残高に足される、負けたら引かれる』でいい?
ヤバくんそう。ただし純収支を1回ごとに足し引きする架空の算数だ。実際の投入資金のタイミングは表していない。
アバくんあ、1回打つための必要投資額まで計算できるわけじゃないんだな。
ヤバくん正解。分かるのはこの設定下での『残高の経路』と『0円以下への到達確率』だけだ。
アバくんじゃあ前回と同じルールで勝ち負けが独立して起きることにする!
ヤバくんそれも大切な条件だ。実際の遊技で毎回同じ期待値を確保できるとは限らない。
モデルAは最初の6連敗で残高ゼロ!
軍資金24,000円でモデルAの負けが最初から6回続くと、24,000−4,000×6=0円です。この『最初の6連敗』だけでも確率は75%の6乗、約17.80%あります。
アバくんさて軍資金24,000円! まず1回目に負けたら残り20,000円!
ヤバくん2連敗なら16,000円、3連敗なら12,000円だ。
アバくん4連敗で8,000円、5連敗で4,000円……あれ、カボチャが軽い。
ヤバくん6連敗したら0円。今回の定義では、ここで数学上の資金切れとして終了する。
アバくんまだ6回なのに!? 期待値は1回+3,000円のはずだろ!
ヤバくん期待値がプラスでも、負ける75%が6回連続することはある。
アバくん最初から6連敗する確率って何%?
ヤバくん0.75の6乗で約17.80%だ。
アバくんうそだろ、6回だけの失敗でそんなに!?
ヤバくんこれは『最初の6回が全部負け』という特定のパターンの確率だ。あとで勝敗が混じった道筋も数える。
アバくん途中で1回勝ったら残高が増えて助かることもあるんだな。
ヤバくんそう。ただし勝ちが混じっても、後で資金切れに達する経路はある。
モデルBは8連敗でゼロ。数字が違えば道筋も変わる
モデルBは1敗で3,000円減るため、最初から8連敗すると24,000−3,000×8=0円。8連敗が先頭で起きる確率は40%の8乗、約0.065536%です。
アバくんじゃあBは勝率60%だから、資金切れなんてゼロに近そうだな!
ヤバくんBでも資金切れは起こり得る。最初から8連敗なら残高0円だ。
アバくん40%を8回掛けたら約0.065536%。最初の8連敗に限れば小さいな。
ヤバくんそう。しかし『最初の8連敗』だけを見て終わりにするのは間違いだ。
アバくん1回勝った後に負けが続いて、残高が尽きることもあるから?
ヤバくんその通り。残高が上下したあとで初めて0円以下になる経路もある。
アバくんしかも『6連敗』とか『8連敗』という形だけを数えるのでは足りないのか。
ヤバくん足りない。勝敗の順序と、その時点までの残高をすべて追う必要がある。
アバくんもしBの残高が2,000円で、次に−3,000円になったら?
ヤバくんこの純収支の数学モデルなら0円以下へ初めて到達したとして数える。実際の遊技資金が借り入れ可能という意味ではない。
アバくんなるほど! 本物のパチンコで『2,000円あれば1回分を買える』という計算じゃないんだな。
ヤバくんそう。現実の継続可否は実際の投資額・持ち玉・終了条件による。このモデルをそのまま当てはめないこと。
10回・30回・50回・100回・300回の資金切れ確率
1回ごとに現在の残高へ勝敗の純収支を加え、0円以下になった経路をその時点で取り除いて集計します。以下は『何回目までに一度でも残高0円以下になったか』の累積確率であり、前回の『n回終了時の赤字確率』ではありません。
| 回数まで | Aの資金切れ確率 | Bの資金切れ確率 |
|---|---|---|
| 10回以内 | 約17.80% | 約0.065536% |
| 30回以内 | 約25.58% | 約0.114126% |
| 50回以内 | 約26.70% | 約0.114721% |
| 100回以内 | 約27.09% | 約0.114730% |
| 300回以内 | 約27.12% | 約0.1147297% |
※0円以下への初到達確率を各ステップの残高別確率から積み上げた値です。残高が0円以下になった経路は以後の回数へ進めません。四捨五入のため桁数は行によって異なります。実在機種の数値ではありません。
アバくんいよいよ本番! 10回から300回まで計算してくれ!
ヤバくんモデルAは10回以内で約17.80%、30回以内で約25.58%が資金切れになる。
アバくん10回から30回で、確率がそんなに増えるのか!
ヤバくん50回以内で約26.70%、100回以内で約27.09%、300回以内で約27.12%だ。
アバくんえっ、300回の期待値は+90万円なのに約27%も途中で止まるの!?
ヤバくん開始残高24,000円、固定の2結果、0円以下で停止という仮定だからな。
アバくんじゃあBも同じように300回まで見せて!
ヤバくんBは10回以内で約0.0655%、30回以内で約0.1141%、300回以内で約0.1147%だ。
アバくん同じ+3,000円なのに、こっちはずいぶん小さい!
ヤバくん勝率も損益の幅も違う。期待値だけでは、この確率を決められないことがよく分かるだろ。
アバくん300回の最終赤字がほぼゼロでも、途中の道は別なんだな。
ヤバくんそう。さらに『途中で資金切れになる確率』は回数を増やしても減らない。一度起きた事実は消えないからだ。
なぜ『300回の最終赤字』と『途中の資金切れ』が大違い?
前回の記事で求めた最終赤字確率は、途中の残高を無視して300回分の結果を最後まで足し合わせる計算です。今回は残高24,000円で開始し、0円以下に到達したら停止するので、数える出来事が異なります。
計算式の違い:資金制限を無視してn回すべて行った後の純収支は、Aが28,000×勝ち回数−4,000×n円、Bが10,000×勝ち回数−3,000×n円。一方、途中の資金切れはこれに開始残高24,000円を加え、1回ずつの部分和が初めて0円以下になったかで判定します。300回の総合計だけでは途中経過を判定できません。
アバくん前回のAは300回後の赤字確率が約0.000220%だったよな?
ヤバくんその通り。あれは途中に資金制限を設けず、300回すべての結果を合計した場合の確率だ。
アバくん今回の300回以内の資金切れは約27.12%。同じ300回なのに全然違うぞ!
ヤバくん矛盾ではない。『最後の合計がマイナス』と『道中に残高ゼロ以下の瞬間がある』は別の条件だ。
アバくん最初の6連敗でカボチャが空になっても、もしそのあと300回続けられるなら巻き返す道もあるのか。
ヤバくん数学上はあり得る。だが今回の残高停止ルールでは、その道は途中で終了になる。
アバくんだから前回の計算だけを見て、軍資金24,000円で300回続けられると勘違いしちゃいけないんだな。
ヤバくんそう。必要資金が分からないまま最終期待値の大きさを見ても、現実の計画にはならない。
アバくんあと、資金切れの累積確率は30回から300回で必ず大きくなるの?
ヤバくん定義上、30回までに資金切れになった人は300回までの集計にも含まれる。増えるか横ばいで、減ることはない。
アバくん赤字おばけは回数を増やすと小さくなったのに、資金切れおばけは積み上がるんだ!
ヤバくんその区別が今回の核心だ。怖がらせたいのではなく、数字の意味を正確に捉えよう。
現実の遊技では投資・持ち玉・終了条件まで確認
今回の算数は、毎回一定の純収支を加減算する架空の独立試行です。現実には1回分の元手、途中の現金投資、持ち玉、出玉の変動、回転率、交換率、機種状態、稼働時間などが関係します。この表から『実際にいくら必要』『何%で破産する』とは推定できません。
アバくんじゃあ現実でも軍資金24,000円のパチンコなら約27%で資金切れ、とは言えないのか。
ヤバくん言えない。この2結果モデルは実在する機種の収支分布ではないからだ。
アバくんしかも1回の遊技に必要な投資額が分からないぞ。
ヤバくんそう。純収支が−4,000円になる回でも、途中の投資額がちょうど4,000円とは限らない。
アバくん勝てるときに必要な現金も変わるし、持ち玉や再プレイ条件もあるな。
ヤバくん回転率・交換率・実際の出玉分布・遊技時間・終了条件が変われば、期待値も結果の幅も変わる。
アバくんじゃあ軍資金を増やせば安心で、無制限に続ければいい?
ヤバくんそれも違う。数学上の確率が変わることと、遊技を無理に続けるべきかは別問題だ。
アバくんカボチャ貯金箱に生活費を投入するのはダメか……。
ヤバくん生活に必要なお金は守る。予算や時間の限度を超えて損失を取り戻そうとしない。
アバくんなるほど、確率計算は『何回も打て』という勧誘じゃなく、考える材料なんだな。
ヤバくんその理解で十分。現実の数字が必要なら、仮定を揃えて検証し、分からない部分は分からないとすること。
まとめ|期待値おばけより『道中の残高』を忘れるな!
前回の最終赤字確率は『最後まで試した場合』。今回の資金切れ確率は『途中で残高が0円以下になった場合』。どちらも同じ確率の仮想モデルから計算していますが、指している現象が違います。
アバくん今回のハロウィンは、カボチャ貯金箱24,000円で300回に挑戦する数学の話だったな!
ヤバくんああ。Aは300回以内の資金切れが約27.12%、Bは約0.1147%という仮想結果だ。
アバくん期待値の合計が同じ+90万円でも、途中の道のりは同じじゃない。
ヤバくんそう。勝率、損益幅、開始残高、停止条件の4つを確認することが重要だ。
アバくんそれに本物のパチンコでは、この表をそのまま使えないんだな。
ヤバくんその通り。実際の投資や遊技の条件はもっと複雑だから、利益も連続遊技も保証されない。
アバくんでもさ、俺のカボチャの口から勝手にお金が逃げるのも確率のせい?
ヤバくんそれはカボチャの底に穴を開けたお前の工作ミスだろ。
アバくんえっ! 赤字おばけだと思ってたのに!
ヤバくん確率で説明できることと、目の前の穴のせいなのかは区別しろ!
アバくんトリック・オア・期待値! 次はカボチャの穴をふさぐ方法を数式で……。
ヤバくんまずテープでふさげ! 次回は同じ期待値でも『収支の荒さ』が違う理由を考えよう。
今回のまとめ:①同じ期待値でも軍資金と損益の幅によって途中の0円以下到達確率は違う。②試行を増やしたとき『最終赤字確率』と『途中の資金切れ累積確率』は別の指標。③今回の確率は架空の純収支モデルに限られ、現実の必要軍資金や遊技の持続可能性の予測ではない。④無理な投資は避け、自分で定めた予算と時間の上限を守る。
関連記事:前回の10〜300回・最終累計赤字確率の計算、その前の「期待値+3,000円でも勝率25%!?」。条件と期待値の基本は期待値の見方・計算方法、遊技後の結果の整理は期待値と実収支の記録で確認できます。
次回に進む:「期待値+3,000円なのに荒さ約2.5倍!?」。空っぽになったカボチャ貯金箱をテープとリボンで着飾って、同じ期待値でも収支の標準偏差が違う理由を計算します。
※この記事の登場人物・会話・数字は説明用の創作です。実機の勝率、投資のタイミング、必要資金、破産確率、利益を表すものではありません。収支がプラスになる保証や、遊技継続を推奨する意図はありません。
今回登場した重要語句
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